進化を革新へとつなぎ、
次のステージへ。
徳洲会インフォメーションシステム株式会社
代表取締役社長尾﨑 勝彦
いつでも、どこでも、だれでも、親切で、安心して、最善の医療を受けられる社会を実現するためには、病院のIT化の推進と病院運営のイノベーションが不可欠、まさに医療DXが必要です。このDXを推進するため、今までの医療の既成概念にとらわれない発想の転換ができる人材が求められています。
当社は、徳洲会グループ各病院・施設の情報を一元化する目的で、2009年10月に設立されました。グループとして電子カルテベンダーを1社に統一し、今では68病院で統一された電子カルテを運用しています。また、グループ全体で1400万人の診療情報を蓄積したTokushukai Medical Database(以下TMD)を管理しており、マスターコードについても約8割のコードが統一されています。病院へのシステム導入は、単なるITの導入ではなく、病院運営のイノベーション、つまり医療DX(Digital Transformation)を推進することです。病院に存在する多種多様なデータは、それらを有機的に連携して病院の運営、学会、研究、開発などに生かされてこそ真にシステム導入の効果があると思います。グループ68病院を接続したネットワークを利用して、共通化を進めることでデータの抽出が容易になり、統計・分析資料や学会用データ作成時にもボリュームアップしたデータの抽出、AIなど次のデータ利活用に生かすことが出来ます。医療DXにおいて諸外国から周回遅れの我が国は、AI開発者などに必要な教師データや医療データの提供を積極的に進める必要性があり、これに対してもTMDからAI開発に必要な教師データや臨床研究に必要な医療データを提供できる仕組みをグループで構築しています。我々が開発・導入してきたシステムは、主にグループ内で活用されていますが、その経験を生かしてグループ外のいくつかの病院でも利用されています。電子カルテの導入、グループ病院情報収集システム、医薬品/医療材料発注管理システム、病院人事給与システム、重症化予想AIなど必要なシステム連携を進め、更なる医療DXの推進を計りたいと思っています。今後もより多くの病院で成功事例を積み、日本の医療の一助になれるように幅広く活動していきたいと考えています。